樹木葬とは-お墓の主流となりつつある樹木葬を知る-

目次

  • どんなお墓?
    • 墓標は石ではなく樹木がシンボル
    • 樹木の種類
    • 日本初の樹木葬はどこ?
    • 粉骨の必要性
    • 樹木葬のニーズ
    • 経済的
    • 継承しなくてもいい
  • 樹木葬の種類
    • 里山型と都市型
    • 里山型
    • 都市型
  • 樹木葬の埋葬方法
    • 骨袋に入れて自然に還す
    • 骨壷のまま埋葬
    • 個別、共同、合祀タイプ
    • 大前提として樹木葬はお墓である

近年のライフスタイルの多様化は、お墓に対しても影響が見られます。特に「お墓の継承には不安がある」という声が多く、その問題を解消できる方法の一つとして樹木葬があげられます。
その他にも従来の石のお墓にはないメリットが樹木葬には多く「子供に負担を掛けなくていい」「一般のお墓に比べて費用が安い」など、これからの主流は樹木葬なのかもしれません。

どんなお墓?

墓標は石ではなく樹木がシンボル

樹木葬は従来の墓石を墓標とするのではなく、生きた樹木を墓標とすることで、自然に還りたいという願いを叶える葬法です。
しかし明確な定義があるわけではないので、樹木葬と謳いながらも自然には還らない埋葬の方法をしている霊園や墓苑もあるようです。
京都の樹木葬は自然に還る埋葬方法です。

樹木の種類

正覚庵の墓苑風景

1霊に1本植樹するケースや、墓地の中心にシンボルツリーとして樹木を植え、その周り一帯を埋葬場所とするケースなど様々な方法があります。京都の樹木葬では、枝垂桜や楓、欅が墓苑の傍にあったり、杉木立の中に墓苑があります。

日本初の樹木葬はどこ?

岩手県の一関市の知勝院が1999年に日本で初めての樹木葬と言われています。

粉骨の必要性

樹木葬は散骨と違い墓地域に埋葬されます。そのため「墓地埋葬等に関する法律(墓埋法)」に則っており粉骨する必要はありません。
ただ墓苑により納骨スペースが小さいところは、粉骨しなければならないところもあるようです。

樹木葬のニーズ

静かに自然に還りたいという自然回帰の考え方が広まってきました。ライフスタイルの変化より、従来の石のお墓のように継承することが難しいなど維持が困難になってきたことから新しいお墓の形として年々高まってきています。

経済的

お墓といえば石のお墓を思い浮かべる方は少なくないはず。その従来のお墓と比べると、シンプルな形のお墓のため費用が安く抑えられます。単純に墓石代が掛かりませんので、その分抑えられます。また1人1人区画が分けられているものも、敷地が小さくなりますのでその点でも安価になっています。

継承しなくてもいい

お墓は先祖代々とし、今あるお墓は長男が入るというのが一般的です。これまたライフスタイルの変化で一人っ子が多くなり、そもそも継ぐことができない状況です。
子供がいない方も増えているので、そのため継承を必要としないスタイルの樹木葬がほとんどです。

樹木葬の種類

里山型と都市型

樹木葬は大きく分けて2種類あります。里山型と都市型となり、日本で初めての樹木葬は里山型となります。

里山型

自然の山を活かして埋葬するのが里山がとなります。自然の中で眠る埋葬方法なので、樹木葬のイメージ通りの葬法となっています。ただし、自然と一体化するため、後々植物が生え、埋葬された場所がわからなくなったり、墓参するのが難しくなることもあるようです。
自然環境の維持、保全も目的としているので自然回帰の考えが強い方に注目されています。

都市型

よく目にするのはこの都市型樹木葬だと思います。庭園樹木葬など、綺麗に整えられた樹木葬地も出てきており、一見お墓に見えないものもあります
霊園の中や、お寺の墓地の一画に作られており、1人1本植樹するタイプや、シンボルツリーのタイプなど様々です。
都市部に多く、交通の便も良い所が多く人気の樹木葬です。

樹木葬の埋葬方法

骨袋に入れて自然に還す

樹木葬の納骨風景

樹木葬=自然葬のイメージからお骨をそのまま撒くと思っている方もいます。しかし樹木葬は墓埋法に則った埋葬方法なので「埋葬」しなければなりません。「撒く」となると「散骨」となります。
骨壷に入った御遺骨を骨袋に移し替えて樹木葬地に埋葬します。骨袋はなく、そのまま埋葬する場合もあり、環境に優しく土に還る埋葬方法となります。

骨壷のまま埋葬

従来の石のお墓は、墓石の下にカロートという空間があり、そこに骨壷ごとお骨を安置します。意外に思われるかもしれませんが、樹木葬でもこのように埋葬する墓地や霊園があります。当然土には還りませんので、その後どうするのかという問題が残ります。
自然に還るという印象がある樹木葬とイメージが違うので、埋葬方法については契約前にしっかりと把握しておきましょう。
京都の樹木葬の4ヶ寺では全て自然に還る埋葬方法となっています。

個別、共同、合祀タイプ

樹木葬の埋葬タイプ別の図解

個別タイプは、個々の区画があり、1人利用、2人利用など複数の御遺骨を入れることもできます。墓参時にも埋葬した場所がわかるので従来の石のお墓のようにお参りできます。
共同タイプは、骨袋、若しくは骨壷に入れた状態で埋葬するので、他人のお骨と混ざることはありません。1つのお墓に皆で入るということになります。
合祀(ごうし)タイプは、骨壷から御遺骨を取り出し、他の御遺骨と混ざるような形で埋葬することになります。
京都の樹木葬の4ヶ寺では全て個別埋葬のタイプです。

大前提として樹木葬はお墓である

自然葬のイメージから散骨と間違われることもありますが、樹木葬はお墓です。そのため「墓地埋葬等に関する法律」通り、御遺骨は墓地域に”埋葬”しなければなりません。散骨は、お骨を撒いて自然に還すので、お墓以外の場所でも可能となっています。