墓じまいとは?注意点や費用、手順を解説
2024/04/01ここ数年、「墓じまい」という言葉を耳にすることが増えてきました。
お寺や墓地にある一般的なお墓は、実は所有者はお寺や墓地の管理者であり、私たちお墓の使用者は、お墓の「永代使用権」を持っているにすぎません。
墓じまいとは
お墓を解体・撤去して更地に戻し、お寺や墓地の管理者に永代使用権を返還することです。
墓じまいが増えている背景
墓じまいが増えている背景には、ライフスタイルや価値観の変化が大きく影響しています。
「墓のことで子供に迷惑をかけたくない」「子供が後を継いでくれない」など墓の継承が困難だという理由の他、
高齢になり体の自由がきかずお墓参りにも行けなくなったという相談も多くなっております。
本記事では、墓じまいに関する手順や注意点を解説していきます。
墓じまいの手順
1.親戚同士できっちり話をつけ同意を得る
親戚の同意を得るというのが大切です。
墓じまいをする前に祭祀継承権の確認をしておき、しっかり理解を得ておく必要があります。
ここでのトラブルが一番多いと言われております。
2.墓じまい後のお骨の行き先を決める
次に必要なのがお墓の中にある遺骨の行き先を決めます。
行き先によって必要な手続きも変わってきます。 受入先が新たな墓地・永代供養墓・樹木葬などの場合、管理者から「受入証明書」もしくは「永代使用許可書」を発行してもらう必要があります。
墓じまい先としても人気
京都の樹木葬
東福寺 塔頭 正覚庵
建仁寺 塔頭 両足院
大徳寺 塔頭 正受院
3.墓地管理者に墓じまいの旨を伝える
こちらが最も億劫に感じる人が多いですが、
墓地はお寺や霊園にあると思いますので、墓じまいをする旨をそれらの管理者に連絡する必要があります。
専用の書類がある場合も多いので事前に確認が必要です。 同時に「埋葬証明書」を発行してもらいます。
お寺の場合は、伝え方が大切です
丁寧に伝えないと、トラブルになる原因となります。
寺院墓地にあるお墓の引っ越しは「檀家をやめる(離檀)」ということになります。お寺にとっては、供養を通じてお付き合いのあった家との関係が切れることとなり、寺の収入が減ることを意味します。
お互いに納得した上で気持ちよく墓じまいをするためには、たとえ遠方であってもお寺へ出向き、お話をすることをお勧めします。
墓じまいの理由としては「住まいが遠方でお墓参りが難しい」「あと継ぎがいないので、今、墓じまいしないと無縁仏になってしまうかもしれない」
など、家族の状況を説明し、お墓のことを真剣に思っての墓じまいであることを感謝とともに伝えましょう。
離檀に伴うお寺へのお礼
墓じまいに際し、これまでのお礼として、離檀料にあたるお布施を包みたいという場合は、お寺とのつきあいの度合いや地域性にもよりますが数万円から30万円程度が平均的な金額のようです。
万が一、高額な離檀料を要求されたり「払わないと、遺骨を渡しません」などと言われ話しあいがつかないところまでもつれてしまったときには、行政書士に入ってもらうことも考えましょう。お寺の所属する本山や墓地のある行政窓口、消費者センターに相談する手もあります。
4.改葬許可申請をする
墓地を管轄する市区町村役場で必要事項を記入した「改葬許可申請書」、「受入証明書」、「埋葬証明書」を提出し改葬の申請を行うと、 「改葬許可書」を受け取れます。
散骨や手元供養をされる場合、改葬手続きそのものが不要となります。ただ、勝手に遺骨を取り出し返還などはできませんので、市区町村役場で「遺骨引渡証明書」をもらい 墓地の管理者に署名捺印してもらいましょう。 ただし、「受入証明書」がないと遺骨の取り出しを許可しない自治体もあるので事前に確認してください。
手元供養とは?
京都で20年以上、手元供養品の制作販売を行っている老舗企業「カン綜合計画・博國屋」が解説。手元供養とは?手元供養の目的、背景など。
5.墓石を撤去する石材店を決める
まずはお墓の管理者に提携している石材店があるか確認しましょう。墓地が狭く重機が入れない場合は人海戦術での墓じまいとなるため費用が高くなる場合も。 提携があるなしに関わらず、2、3社の見積もりを取っておくことをおすすめします。
敷地は更地にして返すのが基本となっています。
墓石解体撤去・整地費は、お墓の立地や規模、トラックや軽重機が乗り入れ可能か?等の条件によって変わります。
標準的には、お墓まで片道2時間、作業時間3時間程度、2tトラック1台で積んで帰れる2㎡サイズのお墓で20~30万円程度が目安となります。
6.遺骨の取り出し
墓じまいの前にお墓の魂抜き(住職などにお経をあげてもらう)を行い、遺骨を取り出します。遺骨を取り出したあとは墓石を撤去し更地に。 墓地の管理者に永代供養権を返却することで墓じまいの作業と手続きが完了します。
このように墓じまいにはいくつか手続きがあり、また霊園や自治体によっても様々です。
まずは墓地を管轄する市区町村役場で手続き方法を確認することをおすすめいたします。
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