初めて座禅を体験
先日この記事「東福寺の正覚庵で座禅会が始まりました。・・・」で紹介した座禅会に昨日行ってきました。
座禅のことについては、まったくの無知でしたが、難しいことはまったくなく、誰にでも気軽に始められるものでした。まだ一回だけですが、得られることは多いように思います。
言葉だけでいうと「足組んで座る」だけの行為ですが、奥が深いのでこれはぜひ続けていきたいと思います。自宅でもやろうと思えばやれるのですが、最初は環境も大事なので、1度はぜひ正覚庵にいって体験してみてほしいと思います。
さて16時から始まる座禅会は、やり方の説明のあとに40分間、深く自分を調えます。
自分にとっての「苦」
座禅をするにあたって、私が一番心配していたのは、「足を組んで座る」です。私は非常に体が硬く、胡坐をかいても膝が床から数十cm浮いている状態です。そして長時間できないのも心配していました。
しかしながら、座禅時には座布団を1枚、そしてもう1枚枕のような大きさの座布団をお尻の下に敷くので、普段の胡坐より、かなり楽に座ることができました。(それでも膝は浮いていますが・・・)
閑栖や住職などプロフェッショナルは、両ひざが床につき、足の裏が上を向くような美しい座り方です。そのまま何かしらの仏パワーで浮いてしまうんじゃないかと思うような美しい形です。
呼吸と半眼
座禅を、「目をつぶって瞑想する」なり、「心を無にする」なりとイメージを持っているかもしれません。ですが教えて頂いたのは、姿勢と呼吸です。
ヘソの下辺りを意識して背筋を伸ばし呼吸をしながら10数える。その後は1に戻り再び10数える。目は半眼(はんがん)といって、外と内を見る、仏様の顔のように、見開いてもいないし、閉じてもいない顔です。
座禅中
今回は、閑栖と住職合わせて計7名が参加して、皆が横並び、ガラス戸を全開にして座禅を行いました。コロナ対策もありますが、お寺特有の静けさと自然の空気を感じる空間でした。環境はベストです。
私の例ですが、他の方はとてもしっかりとしていたと思います。
最初は呼吸を意識しすぎてて、姿勢が崩れてくる、姿勢を正そうすると呼吸が乱れる。私が苦手な、虫の羽音が気になる、足のしびれが気になるなど色々なことを意識していました。
座禅のあと、住職が「未来を考えるから不安になる、大事なのは今、だからほにゃららほにゃらら」と良い言葉を仰っていました。思えば座禅をしていた時の私は「今」の状況だけを考えていたので、しっかり座禅していたんだと、いい解釈をしています。
座禅中 後半戦
時間は40分ですが、時計を見ることはないので、何分経過しているかもわかりません。感覚です。
ふと足が痒くなり、こっそりポリポリしようとしたら、足の感覚がありません。そうです、しびれのピークがきていました。これはマズイぞ・・・
ここからは痺れとの闘いです。動かして楽にしようにも、衣擦れの音でさえ雑音になる静かな空間で、少しずつ態勢を変えていきます。
ちょっと楽になったぐらいで、足に血が巡ってきたのを感じます。
これも良い解釈をしますが、座禅により自分の身体のひとつと向き合い対話できた思ってます。
しかし応急処置にすぎません、しびれは続いています。「あと何分で終わるんだ?」と心の中でひたすら考えていました。今でちょうど半分ぐらいか?と思った時、住職の拍子木?(っていうのかな?)の木の音がコンコンとなりました。
あぁ、おそらくハーフタイムの合図だなと思いましたが、実は終了の合図で、その後は、合掌して座禅は終わりました。
時間の感覚
終わってしまえば、40分というのはあっという間ですが、その間に、たくさんの事が頭の中を通り過ぎたような気がします。
虫の音だったり、風の音、遠くで車が走る音、太陽の光、隣の方の呼吸、足のしびれ、足のしびれ、足のしびれ、足のしびれ・・・
しびれのピーク時は、無限に続くような時間がありましたが、終わると「あれもう終わり?まだ半分ぐらいじゃない?」となったのが不思議な感覚です。
座禅って
たった1回なので「座禅とは」なんて語れるわけもないですが、スティーブジョブズも取り組んだ禅など、数々の著名人が禅に惹かれた理由がちょっとでもわかるような気がします。本当に気がするだけかもしれませんが。
自分の身体のゆがみ、考えること、呼吸による変わる心。
ただ「足組んで座る」という事が、「深い」というのがわかった良い体験でした。
気軽に誰でも
お寺って檀家じゃないと勝手に入ったらだめだとか、「KEEP OUT」の看板があって入りにくいなどがありますが、正覚庵はまったくそんなことなく、気軽に座禅を始められるのでかなりおすすめです。
一応非公開のお寺なので、観光では来ることはできませんのでご注意を。
今後の予定は先日の記事「東福寺の正覚庵で座禅会が始まりました。・・・」内に書いていますので、座禅に興味ある方はぜひ行ってみてください。身体の硬そうな男がいれば、私かもしれません。